耳鳴りの原因・対処方法

耳鳴りに関する情報、改善策などの有益な情報

突然耳鳴りが始まったら…

私たちの世界は、音にあふれています。笑い声、忘れられないメロディ、岸に打ち寄せる波音…。すべての音が音楽のように耳に届き、私たちの生活を豊かに彩りつづけてくれます。しかし、ある日突然、笛の音が1日中鳴り響くように耳鳴りが始まったら、どうなるでしょうか。

耳鳴りとは、外界の音とは別に耳の中で聞こえる雑音・異音のことをいいます。片方の耳で鳴っていると感じる場合もあれば、両方の耳で感じる場合もあります。
病院で「あなたの耳鳴りは治らない」と診断され、苦しさを理解してもらえないことに心を痛めている方もいるかもしれません。
今のところ、耳鳴りを確実に消失させる薬や治療法がないのが実情ですが、耳鳴りを緩和する方法はあります。当ページには、耳鳴りに関する様々な情報を掲載しています。悲観せずに、耳鳴りをうまくコントロールしていただくためにお役立てください。

耳鳴りに関するデータ

  • 耳鳴りは難聴と関連がありますが、難聴の程度にかかわらず耳鳴りになることがあります(1)
  • 約10 %から15 %の人が慢性的(6か月以上)なl耳鳴りに悩まされています(1)
  • 耳鳴り患者の約20 %が、耐え難い苦痛と感じています(2)
  • 耳鳴り患者の90 %以上が難聴を伴っています(3)
  • 耳鳴りは、様々な原因により、誰にでも起こりうる一般的な疾患です(4)
  • 耳鳴りのメカニズムは、多くの場合、神経活動と深い関係があります(5)

1) Kochkin, S., Tyler, R. and Born, J. MarketTrak VIII: Prevalence of Tinnitus and Efficacy of Treatment, The Hearing Review, Vol. 18(12), November 2011, pp. 10-26 2) Langguth B, Kleinjung T, Fischer G, Hajak P, Eichhammer P, Sand PG Tinnitus severity, depression and the big five personality traits. Prog Brain Res. 2007; 166:221-7. 3) Barnea G,Attias J, Gold S, Shahar A. Tinnitus with normal hearing sensitivity: extended high-frequency audiometry and auditory-nerve brain-stem-evoked responses. Audiology 1990; 29;36-45. 4) Crummer RW; Hassan GA. Jan, 2004. 5) Tyler, R. Tinnitus Handbook, 2000.

 

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耳鳴りの原因と診断について

耳鳴りは、聴覚伝達系の問題の現れであり、実にさまざまな病気のパターンに関連付けることができます。耳鳴りに悩む人のほとんどが、聞こえにくさも感じています。

耳鳴りの主な原因の一つが聴力の低下です(6)
例えば、爆発音や、大音量の音楽を聞いた場合などに突発的に起こることがあります。
また、加齢による聴力低下により突然耳鳴りが起こることもよくあります。ただし、耳鳴りが難聴のきっかけになるわけではありません。
聴覚系のダメージのほか、顎関節の機能障害(歯ぎしりなど)や慢性的な首の筋肉の緊張によっても耳鳴りが起こる可能性があります。

耳鳴りの原因としてストレスが挙げられることもありますが、今のところ、その関連性を示す科学的根拠はありません。しかし、耳鳴りはストレスの原因となり得ます。また、ストレスを感じるほど耳鳴りの不快音の感じ方が激しくなることもあります。
薬の服用が耳鳴りを誘発する場合もあります。通常は、服用を止めると耳鳴りも消えますが、薬の服用により大きなダメージを受けたことが、慢性耳鳴りの原因となる可能性もあります。

耳鳴りの診断
耳鳴りは、人により感じ方が異なるため、正確な診断が非常に重要です。まず、原因を調べ、医学的に治療できるかどうかを判断します。その診断にあたっては、耳鼻咽喉科の専門医による様々な検査を行う場合があります。耳鳴りの高さや音量は、特殊な診断テストで判定することができます。また、聴力検査で難聴併発の有無を明らかにします。(7)

6) ˜Characteristics of Tinnitus and Etiology of Associated Hearing Loss: A Study of 123 Patients, International Tinnitus Journal, 2002.
7) ˜Jane L. Weissman, MD Barry E. Hirsch, MD: Imaging of Tinnitus. A Review From the Department of Radiology and Otolaryngology, Oregon Health Sciences University, 3181 SW Sam Jackson Park Rd, Mail Code CR-135, Portland, OR 97201-3098 (J.L.W.), and the Department of Otolaryngology, University of Pittsburgh Medical Center, Pa (B.E.H.). 2000

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耳鳴りは症状であり、病気ではありません

耳鳴りが生活にどの程度影響するかは、耳鳴りの音量、頻度、継続時間、個人的な感じ方など、様々な要因により異なります。耳鳴りそのものは、痛みと同様にひとつの「症状」です。原因を治療することが必要な「病気」とは異なり、耳鳴りは、ひとつの状態として処置することしかできない場合がほとんどです。耳の中のノイズのコントロールが課題となります。

また、耳鳴りは病気の一端となる可能性もあります。耳鳴りが酷いと、睡眠障害や恐怖感、ふさぎこみの原因となる場合があります。

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耳鳴りをコントロールする方法

耳鳴りは不快感を伴います。また、自分の意思に反して耳鳴りを意識してしまう傾向があります。最初は、「休めば治る」と考え、家で安静にするかもしれません。しかし、このように引きこもると、周囲との関わりや、聴覚的な刺激、気晴らしの機会なども減少し、かえって耳鳴りに意識が集中しやすくなってしまいます。その結果、耳鳴りに対して何もできないという無力感が高まり、もっと悪化するのではないかという恐怖感も加わり、さらに耳鳴りが気になるという悪循環に陥ります。耳鳴りから気を逸らすことで、この悪循環を断ち切ることが重要です。

最新技術とカウンセリングによる耳鳴り対処方法

最新のデジタル技術が耳鳴り治療に役立つ場合があります。主な原理は外部から音刺激を与えることにより外部の音に注意を向けさせ、「耳鳴りを気にならなくさせる」方法です。この音響療法は慢性化した耳鳴りに対して有効な治療方法の1つではありますが、経験が豊富な専門医のカウンセリングや指導が不可欠です。耳鳴り治療器はただ装用すれば症状が改善するものではなく、間違った使い方をすると、耳鳴りを逆に悪化させてしまいかねません。

音響療法の機器:

  • サウンドジェネレータ(音響治療器)
    サウンドジェネレータ(音響治療器)は主に難聴のない人を対象としています。見た目は補聴器に似ていますが、周囲の音を増幅するものではありません。これは、耳鳴りから意識を逸らすための小さなノイズ(治療音)を発生させることで耳鳴りが大幅に緩和される場合があります。
  • 補聴器
    難聴を伴っている患者さんの場合、補聴器を付けることで聞こえが良くなり、耳鳴りも緩和するケースが多くあります。聞こえがよくなると、耳鳴りへの意識が薄れるためです。補聴器は、周囲の音を増幅して耳に送ります。これにより、それまで聞き取れなかった周囲の様々な音に意識が向けられることになり、耳鳴りが緩和されます。多くの場合、補聴器の利用者は、補聴器のスイッチを入れるとすぐに耳鳴りがほとんど、あるいはまったく聞こえなくなります。
  • コンビ(補聴器+サウンドジェネレータ)
    補聴器は実際の周囲の音を増幅することしかできないため、非常に静かな環境では耳鳴り治療ツールとしての有効性に欠ける場合があります。このような場合は、サウンドジェネレータ機能付きの補聴器が有効です。静かな環境では、サウンドジェネレータが小さなノイズを発生させ、耳鳴りから患者さんの意識を逸らすことができます。

シグニア補聴器の Ace(エース)Pure(ピュア)Motion(モーション)Insio(インシオ)は耳鳴り治療器機能を搭載しています。
TRT(耳鳴り再訓練法)用の治療音(音響的ノイズ)により、耳鳴りの悩みに応えます。
耳鳴りの治療及び本機能の使用については、必ず耳鼻科専門医にご相談ください。
※TRT: Tinnitus Retraining Therapy

カウンセリング:

カウンセリングでは

  • 耳鳴りの理解
  • 耳鳴りとストレスの関連性
  • 各人に合った耳鳴りの治療方法と進め方
  • 音響療法の意義と方法
  • 日常生活の工夫

などについて細かく説明・指導を受けてください。音響療法の装置や音の大きさ、使用方法に至まで具体的な指導を受けるようにし、不安なこと、心配なことは何でも質問するようにしましょう。

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耳鳴りを克服するヒント

耳鳴りに決して負けないという強い気持ちを持ってください。前向きな姿勢が耳鳴りの克服に大きく作用します。リラックスしたり、スポーツや趣味は、耳鳴りに打ち勝つ支えになることでしょう。ここでは耳鼻咽喉科の医師、心理学者および音響の専門家と共同で作成した、実践的なヒントをまとめました。耳鳴りでお悩みの方は、先ずは早めに耳鳴り治療に詳しい耳鼻科専門医を受診されることをお勧めします。

耳鳴り克服のヒント:

  • 聴覚の再トレーニング
    意識して周囲の音に耳を傾けてみましょう。お気に入りの音楽でも、梢に留まる鳥の声でも構いません。耳に入るさまざまな音はすべて、耳鳴りから意識を逸らしてくれます。
  • よく眠るためのヒント
    日中に活動的であればあるほど、夜はよく寝れるものです。夜に紅茶やコーヒーを飲んだり、重い食事を取るのは避けましょう。また、アルコールなどに頼り過ぎると、質の良い睡眠は保証されません。就寝前にお風呂に入るのもよい方法です。どうしても眠りにつけない場合には、専門医に相談するのもいいでしょう。
  • アクティブに過ごす
    家族や友人との生活を楽しみましょう。そして、さまざまな活動を取り入れてプライベートライフを充実させてみてください。自分は幸せであると感じさせてくれるものや、生活の楽しみがあれば、耳鳴りに生活を支配されないようになります。
  • 静寂を避ける
    休息は必要です。ただし、完全な静寂は、耳鳴りが気になってしまうため、避けるようにしてください。楽しい音の刺激、環境音楽、リラックスできる音楽などを聞くと良いでしょう。
  • 身体の健康の促進
    スポーツをしている人は健康的ですが、これは耳鳴り患者にも当てはまります。楽しくできるスポーツを見つけ、趣味として継続していきましょう。スポーツ中に耳鳴りが大きくなったように感じても、心配することはありません。
  • リラックスをする方法を見つける
    耳鳴りは緊張の原因となるため、リラックス方法を学び、定期的に実行しましょう。自分に合ったリラックス方法を見つけてください。ヨガや太極拳、気功などのリラックス方法もおすすめです

まずはお近くの耳鼻科医にご相談ください。必要に応じて、より耳鳴りに詳しい専門医を紹介される場合もあります。