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一言で「難聴」といっても様々な種類があります。大きく分けると、「伝音性難聴」、「感音性難聴」、「混合性難聴」の3つ。 これらの難聴は、耳のどこで障害が起こっているかによって分けられており、それぞれ対処方法も異なります。
2020-12-04

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難聴にもいろいろな種類がある?
その一 感音性難聴

一言で「難聴」といっても様々な種類があります。大きく分けると、「伝音性難聴」、「感音性難聴」、「混合性難聴」の3つ。 これらの難聴は、耳のどこで障害が起こっているかによって分けられており、それぞれ対処方法も異なります。

感音性難聴とは何か?

感音性難聴は最も一般的な難聴で、特定の年齢以上のほとんどの人は、ある程度の感音性難聴を経験します。

感音性難聴は、音を感じ取る内耳(蝸牛と有毛細胞)の障害によって起こります。音は外耳と中耳を通って耳の奥に伝わり、さらに奥にある内耳に入ります。内耳には音の感覚刺激を生み出す渦巻き状の器官、蝸牛があります。蝸牛の内部に、音を電気信号に変える有毛細胞が並んでおり、外から伝わってきた音を神経や脳に伝えています。何らかの理由でこの伝達がうまくできなくなくなると、難聴の症状が現れます。高齢者の耳が遠くなる、加齢性の難聴も感音性難聴の一つです。

なぜ加齢による感音性難聴は高い音から聞こえにくくなるのか

有毛細胞はその位置する場所によって、分析する音の高さ(周波数)が違います。蝸牛の入口付近の有毛細胞が一番高い音を分析し、奥に向かうに連れて低い周波数の音を分析します。入口に近い有毛細胞ほどあらゆる音にさらされてしまうので、年齢を重ねるとともに、有毛細胞がダメージを受け、高い音が聞こえにくくなってくるのです。

日本語の場合には、「あいうえお」という母音に、高い音の子音が加わります。つまり、子音の方が早く聞こえづらくなるということ。加齢性難聴でこの子音部分の情報が欠けていくと、「さかな」が「あああ」に聞こえてしまうことだってありうるのです。

感音性難聴の症状

私たちの視力や記憶力のように、聴覚も時間とともにゆっくりと変化します。診断を受けるまで難聴に気付かないことがよくあります。しかし、感音性難聴はいくつかの兆候がありますので、気になる症状があれば、聴力検査を受けることをお勧めします。

•騒がしい部屋で聞き取りにくい(カクテルパーティー効果)
•他人の声がこもって聞こえる
•特定の声(小さい音や高音など)が聞こえない
•会話で子音を聞き分けるのが難しい
•他の人がうるさく感じるぐらいテレビやラジオの音を大きくする
耳鳴り

また、難聴自体が唯一の症状ではなく、感音性難聴がある人には、次のような症状が現れることがあります。

•音楽、テレビ、ラジオを楽しめない
•周囲の音が入ってこないため何となく不安
•理由もなく、一日の終わりに疲労感を感じる

感音性難聴の対処方法

難聴は、早い対処が良い結果につながります。聴覚は人体の他の部位と同じで、刺激を与え続けて器官を使い続けなければ衰えてきます。脳は常に聴覚からの刺激を受け、日々音を聞くトレーニングをしています。この刺激が無くなると、聞く力が低下するだけでなく、次第にコミュニケーション能力も衰退していきます。

感音性難聴は、手術や薬で治すことができません。しかし、補助器具で聴力を補い、いろいろな症状を緩和することができます。その選択肢の1つが補聴器です。軽度難聴であっても、早期に最適な補聴器を装用し始めれば、より早く聞こえに慣れることができます。

感音性難聴の予防

若いときに気を付けて聴力を守った人は、年をとると感音性難聴の程度が軽くなると報告されています。一方、特定の職業(建設業、音楽業界)の方は、騒音が原因である難聴の発生率が高いと報告されています。前述のように大きな音に長時間さらされると、蝸牛内の有毛細胞が劣化し、感音性難聴を引き起こしてしまいます。そのため、騒がしい場所で耳を保護することが重要です。コンサート、オートレース等大音量の場所では耳栓を着用し、その後耳を休めてあげてください。また、建設工事などの騒がしい状況で作業する場合は、常に保護具を着用してください。