X
脳の活動が低下することに、難聴が何らかの影響を与えているとしたら、「最近耳が遠くなったような気がするけれど、年のせいかな」なんて放置している場合ではありませんよね!? 今回は難聴が脳に与える影響について解説します。
2019-09-25

タグ

難聴が脳に与える影響

脳は、身体全体の指令センターのような役割を担っています。とても大切な役割を担っている脳の活動が低下することに、難聴が何らかの影響を与えているとしたら、「最近耳が遠くなったような気がするけれど、年のせいかな」なんて放置している場合ではありませんよね!? 今回は難聴が脳に与える影響について解説します。

思考や行動、人が生きていくうえで必要なことのすべてを判断しているのは脳です。しかし普段は指令を出す側である脳が、身体的、精神的な症状に影響を受けて、活動が鈍ってしまうことがあります。

脳の活動に影響を与える身体的な症状の一つが、難聴です。難聴は年齢や人種に関係なく誰でもかかる病気ということもあり、難聴が脳に与える影響について、これまでも数多く研究が行われてきました。

興味深い研究結果がいくつか発表されていますが、そのなかの一つが、失われた感覚を補おうとする「神経の可塑性」です。神経の可塑性と聞くと、何だか難しく聞こえますが、それほど複雑な話ではありません。神経の可塑性とは、新しい機能や状況に対応しようとする脳が、神経回路の再構築を行うことを指します。特に難聴者の脳の中では、神経の可塑性が何度も繰り返されるのだといいます。

神経の可塑性

難聴者の脳の中で起きていることをとても簡単に説明すると…

難聴が生じると、音から得る感覚が弱くなるため、脳は何らかの形で失われた感覚を過度に補おうとします。聴覚が衰えたぶん、触覚や視覚などをより鋭くしようと一所懸命働くのです。しかし余計に働いたことで、私たちはいつも以上に疲れを感じたり、集中力が低下したりします。

もちろん神経の可塑性のおかげで、難聴者は聴覚が低下しても、ある程度の症状までは対処できますが、その優れた機能のおかげで脳に有害な影響が出ることがあります。

例えば聴覚が低下すると、音声を処理する役目を担っていた脳の部分が活動しなくなります。聴覚から得られる情報を理解し思考するという、脳が本来持っている能力を活用しなくなり、劣化していきます。その結果、認知症の進行を早める可能性が出てきます。

補聴器の有用性と早期治療のメリット

ほとんどの場合、難聴は徐々に進行します。そのため、特定の音が聞こえなくなったことに気付かず、「自分は難聴だ」と自覚するタイミングが遅れてしまいます。脳は音が聞こえにくくなっても、音の記憶をしばらく保っていますが、数年経った後はまったく忘れてしまいます。

補聴器は音を聞くことだけでなく、脳内の聴覚神経を刺激します。すると脳は他の感覚を鋭くする必要がなくなり、聴覚から得られる情報から思考を深める、という高次機能の働きを継続します。つまり補聴器が、健全な脳の働きをサポートするのです。

治療は早ければ早いほど良いのですが、多くの難聴者はなかなか治療しようとしません。自分が難聴だと認めたくないという気持ちがあるのかもしれませんが、難聴を数年放置すれば、脳にはかなりの変化が生じるでしょう。解決策は、本人の意識、そして早めのケアです。あなたが難聴を自覚していなくても、聴力検査を定期的に受けることをお勧めします。そして、気になることがあれば早めに耳鼻科の医師に相談しましょう。

シグニアの無料オンライン聞こえのチェックもご利用ください。医師の診察に代わるものではありませんが、予備的な判断基準としてお役に立つはずです。