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鳥は一般的に人間に比べて聞こえる音の範囲が狭いと言われています。しかし、鳥の聴力は人間に比べ劣っているわけではありません。一体どういうことでしょうか。
2021-01-08

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鳥は「聞き分け」がいい?聴力にまつわる面白い事実 その4

鳥は一般的に人間に比べて聞こえる音の範囲が狭いと言われています。しかし、鳥の聴力は人間に比べ劣っているわけではありません。一体どういうことでしょうか。

鳥の耳はどこにあるの?

鳥には耳がないように見えますが、実はやはり音を聞くための耳はあるのです。確かに鳥の頭には人間や、ウサギ、ゾウなどの哺乳類のような、体の外側にでっぱっている部分はありません。この部分は、「耳介」といい、音を拾いやすくする集音効果があります。

多くの鳥類にはこの耳介はありませんが、耳の穴である「耳孔」があります。通常羽に覆われているため、あまり見たことがないかもしれません。耳孔の中は人間と同じく音を感じとる器官があり、これで音を聞いているのです。なぜ耳のでっぱりがないかというと、速く飛ぶ時に風の抵抗と雑音を減らすためこのように進化したと考えられています。

鳥の聴力の特徴

一般的に、鳥が聞き取れる周波数帯は200Hz 〜 8000Hzで、人間より範囲が狭い鳥類が多いといわれています。つまり人間が聞き取れるとても低い音やモスキート音のような高い音は、多くの鳥には聞こえません。

ですが、聞こえる範囲が狭くても、感度はとてもよく、人間なら同じ音に聞こえるような些細な違いの音でも聞き分けられるといわれています。またおしゃべりが上手なインコやオウムは、聞いた音を再現して発声することができるので、人間の言葉をマネすることができます。鳥類が狭い範囲で優れた音の弁別能力を持つのは、環境に適応した結果だと思われています。

鳥の優れた能力の活用

第一次世界大戦中のフランスでは、鳥のこのような驚くべき聴覚能力を活かして、接近した敵機を発見するためにエッフェル塔でオウムを飼っていたそうです。 オウムは、戦闘機や爆撃機、偵察機などさまざまな航空機の音を覚え、航空機が来るたびにしゃがむように訓練されました。結果として20マイル離れたところの航空機を識別できたといわれています。

音を聞き分ける力も聴力の重要な指標

人間の聞こえる範囲は、哺乳類の中では狭いほうですが、その代わりに高い音弁別の能力を持っているといわれています。人間にとって、聞く目的の多くは「言葉を理解する」ためです。ですが、聴力が衰えると「音は聞こえるけど、なんて言っているのか聞き取れない」ということが起こるのです。それは、音を言葉に変換する能力が落ちたからです。

「音を言葉として認識する」にはとても複雑なステップを踏む必要があります。音を聞き、それを判別し、言葉に変換して、理解する。この能力が低下すると、補聴器で音をいくら大きくしても、言葉として理解できないのです。耳が遠くなったと悩んでいる方は、補聴器を検討する際に、この能力がどうなっているのか、医師や補聴器販売員にしっかりと相談した上で、購入を検討してください。